クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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37:名無しNIPPER[saga]
2023/11/13(月) 00:19:47.22 ID:N7O5Yt45O
「それは……嫌だ」
「は? なんで?」
「田中はあたしのものだから嫌だ」
へえ。これは予想外だ。そして良くない傾向だ。なんだよ佐竹のガキ。これが本当の狙いかよ。これを知ったからには看過出来ない。
「依存してんのは良くないな、お嬢」
嫉妬するなとは言わないし独占欲を持つなとも言わない。ただ依存してるなら離す必要がある。もっと広い視野を持つべきだからだ。
すっかり酔いが冷めた。お説教を始めよう。
「恐れながらお嬢様はまだ学生であらせられます。そのようなわがままで将来の選択肢を狭めることは容認致しかねます。ご理解を」
「学生に将来の話をするのは野暮だと思う」
「今だからこそ、幅広く交流するべきです」
ダメだ。気兼ねなくなど無理。将来の為だ。
佐竹のガキめ。よく考えたら田中に関係する最初の騒動の時点で潰しにかかっている。事情を知っている癖に素知らぬふりをすることで一気にクラスで悪評を広めるその手腕は見事と言える。思ったより侮れないが、残念ながら思い通りにはさせない。丁寧に応対する使用人がお嬢に喧嘩殺法を教えた元ヤンだとは流石に気づけまい。あたしを舐めんなよ。
「これは、お相手の方のためでもあります」
「田中のため……?」
「有栖川家の当主の秘書として実績を積めばどこへ行っても通用するスキルが身につく筈です。なのでどうか何卒ご理解を頂きたく」
「それまで田中には会えなくなるのは困る」
「今すぐではありません。まだ先の話です」
悪くない話の筈だ。本人の意思次第だけど。
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