クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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30:名無しNIPPER[saga]
2023/11/12(日) 02:33:52.06 ID:cnVE/bAzO
「山田と話したかったのもそのことについてで、モヤモヤしたままだと寝れなくなりそうだったからちょっと聞いて欲しいんだけど」
そう前置きしてから、有栖川は吐き出した。
「まずは田中に触るのをやめて欲しい件」
「んなっ」
「あんな風にベタベタ触んないで欲しい」
「おまっ」
「そもそも山田は田中のこと嫌いな癖に不意打ちで優しくするなんて卑怯だ。田中は最後まで恨み節を呟いてたけど普通ならあの瞬間に惚れてる。あたしだって惚れそうだった」
なんの話だ。言いたいことは山ほどあるが。
「そもそもあれはあんたの役目でしょ!? あたしだって佐竹に言われて嫌々やってやっただけだし! それなのに勝手なこと言うな!」
「うん。だから悪かったと思ってる。ごめんなさい。これからは気をつけるから。だからもう田中に馴れ馴れしく触らないで欲しい」
ダメだこいつ。ていうか有栖川わかってる?
「それって結局さ、あんたの嫉妬でしょ?」
「うん。そう。あたしは、山田に嫉妬した」
認められたら何も言えない。あたしもそう。
「山田も嫉妬で田中を嫌ってるからね。有栖川さんの言い分はわかったと思うよ。でも不思議だよね。なんで嫉妬した人の隣に座って寄り添ってるの? 知りたいな、有栖川さん」
佐竹に言われて近さに気づく。何故だろう。
「山田に言われないとあれが嫉妬って気づけなかったから。これからも似たようなことがあったら落ち度を指摘して欲しいから。だからあたしは山田から離れようとは思わない」
たぶんあたしも有栖川とそうありたいんだ。
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