51: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:29:19.18 ID:Sev9O2YP0
「そうか」
「私も、メタルと、キノコが好きだ」
「輝子ちゃん……」
52: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:33:05.20 ID:Sev9O2YP0
「輝子!」
やがて一人の男が駆けつけてきた。プロデューサーだ。
「あ、し、親友……」
53: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:34:54.65 ID:Sev9O2YP0
「なあ、お前ごとき弱小プロダクションが……」
「ええ、うちは小さいプロダクションですので──」
プロデューサーはあくまで落ち着いて返す。
54: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:36:29.68 ID:Sev9O2YP0
「ええ。そちらとしては輝子はあまり重要な子として扱っていないみたいですので、どうでしょう」
「今回の移籍はなかった事に。輝子を返してもらえないでしょうか」
マネージャーは更に苛立たしげに口角を下げる。
55: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:37:35.99 ID:Sev9O2YP0
輝子は目を瞑り、少し考えた。
今までの事を。親友との出会い、メタルアイドルとしての日々。
新しい事務所に来てからの生活。トモダチとの日常。
自分は、何ができたんだろう。何を考えてここまでやってきたんだろう。
……自分は、何がしたいんだろう。
56: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:38:17.71 ID:Sev9O2YP0
輝子は元の事務所に戻り、幸子と小梅も、彼女について来る形で移籍した。
輝子はソロでメタルをやっているが、移籍前と同様に三人のユニットで活動もしている。
三人のユニットは人気急上昇!一気にトップアイドルの道を駆け上がり、
憎きパワハラ事務所は通報を受け、評判は大暴落!
57: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:39:13.51 ID:Sev9O2YP0
夏は終わる。秋が来る。冬が来たなら春も来る。
そして春が終わったら、また夏がやって来る。
「ほら輝子さん、レッスン始まりますよ!」
58: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:41:33.77 ID:Sev9O2YP0
じりじりと暑い夏は、まだ終わらない。
それでもエアコンの効いた部屋で、キノコでも愛でていれば何とかやっていけるだろう。
たまにホラー映画を観たり、そろそろ秋になったかとおっかなびっくり外を歩いて、
やっぱりダメだと机の下にもぐって。どうしても外に出なきゃいけない時は、虫よけスプレーを十分に塗って、
蝉がうるさいならイヤホンをつけて、冷たいジュースでも飲みながら適当にやり過ごすしかない。
59: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:42:14.83 ID:Sev9O2YP0
おわり
輝子ちゃん誕生日おめでとう。
60:名無しNIPPER[sage]
2022/06/06(月) 05:12:48.66 ID:tRPB4jLDO
おつ
多少キャラを知ってるくらいだったけど最高だった
キノコ食べたくなった
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