星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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54: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:36:29.68 ID:Sev9O2YP0
「ええ。そちらとしては輝子はあまり重要な子として扱っていないみたいですので、どうでしょう」

「今回の移籍はなかった事に。輝子を返してもらえないでしょうか」

マネージャーは更に苛立たしげに口角を下げる。
今回の不祥事、輝子の絶対的な評価、パワハラ及びその他余罪による
イメージダウンの可能性を天秤にかけている。

「ちょ、ちょっと!なんですか!?輝子さんそっちに行っちゃうんですか!?」

二人の会話を聞き、慌てて幸子が口を挟む。

「…じゃあ、私もそっちに行く。輝子ちゃんと一緒がいいから。幸子ちゃんも行こう?」

「いや、それ言おうとしてましたけど!今ボクが話してたのに!」

新たな錘の追加ではち切れそうなほど頭の血管を膨らませたが、
やがてマネージャーは深呼吸し、口を開いた。

「ああ、いいよ。輿水、白坂。お前らはクビだ。元々お前らなんかどうでもいい」

「なっ!」

突っかかりそうになる幸子を小梅が抑える。
言い方は気になるが願ったりの展開に、ぷるぷると顔を赤くしながら幸子は耐えた。

「でも、星。お前はどうだ?」

マネージャーは急に声色を柔らかくし、輝子に話しかけた。

「お前はこいつらとは違う。今日のライブを見て確信したよ。お前はもっとビッグになれる。
元々の事務所じゃ全然ファンがついてなかったじゃないか。俺の下ならうんと輝けるぞ」

もちろんマネージャーはそんな事は考えていない。
最後の錘、自身のプライドが天秤にかけられた。
輝子自身にこの親友とやらを捨てさせ、このふざけた男の自尊心を破壊してやる。
その思いで彼は、あくまで自由意志として彼女を引き止めた。

「資金力もコネクションも全然違うぞ?なあ、うちでやっていこうぜ?」

「駄目です、輝子さ……」

幸子の言葉をプロデューサーが遮り、小さく首を横に振った。
そして助けを求めるように見つめてくる輝子に、優しく話しかけた。

「輝子、お前が決めろ。お前がやりたい事をしろ」

輝子はプロデューサーとマネージャーの顔を交互に見つめる。
幸子と小梅は手を胸の前で握り、祈る。


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