277:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:27:21.80 ID:XVB8s0iW0
こうして準備は整った。
戦いの段取りは至極単純。
魔帝軍が集結し、いざ進撃開始という寸前で、
278:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:27:48.89 ID:XVB8s0iW0
そうして彼らがヴィグリッドを去って五日後、
ついにその時が訪れた。
魔帝が号令を発したのである。
279:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:28:51.89 ID:XVB8s0iW0
6 『伝説』
幾万もの大悪魔の将、
そして無尽蔵とも言えるほどの数の兵、
280:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:29:19.25 ID:XVB8s0iW0
愛という感情を有しているスパーダにとって、
この同族虐殺は己の身を切り刻むも同然だった。
しかし愛を有しているからこそ「人間を守る」という信念は揺るぎなく、
281:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:29:46.57 ID:XVB8s0iW0
そうしてスパーダ突入から人間界基準で2時間後、
「虐殺」は終結した。
ここで殺害された大悪魔は三万柱に達していた。
282:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:30:17.21 ID:XVB8s0iW0
7 『宿命』
スパーダによる大虐殺を、
魔帝は己の宮殿から静かに眺望していた。
283:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:30:45.51 ID:XVB8s0iW0
その怒りは、ある種の「信頼」の裏返しでもあった。
人間的な友情や親近感は一切なくとも、
アルゴサクス・アビゲイルに対抗するために協力し、
共に耐え忍んだゆえの悪魔なりの仲間意識、
284:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:31:16.07 ID:XVB8s0iW0
いまや舞台は完璧に整っていた。
いよいよ宮殿に向かうスパーダ、
そして憤怒を携えて待ち受ける魔帝。
285:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:31:48.77 ID:XVB8s0iW0
その決闘は、魔帝が瞬時に創った隔離領域にて行われた。
これは彼自身が自らのために設計し、
強度を極限まで高めた決闘用の「舞台」だった。
286:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:32:15.60 ID:XVB8s0iW0
対してスパーダの側も、その曝けだされた激情に触れたことで
魔帝の本性を改めて理解した。
垣間見えるは完全無欠たる真の悪意。
287:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:32:53.85 ID:XVB8s0iW0
悪魔に人間の要素を加えることで、その悪魔の力は飛躍的に増しうる。
それは『果実』が究極的な形ですでに証明している。
とはいえ、この『果実』が究極的な形というのは、
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