284:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:31:16.07 ID:XVB8s0iW0
いまや舞台は完璧に整っていた。
いよいよ宮殿に向かうスパーダ、
そして憤怒を携えて待ち受ける魔帝。
その相対を邪魔する第三者はいない。
軍勢に合流していなかった魔帝直属の将もいたが、
この場に参じる者はいなかった。
また覇王アルゴサクスも当然のごとく傍観を選んだ。
己こそ正統な魔界頂点だと自負していた覇王にとって、
魔帝とスパーダの仲間割れはもちろん歓迎するものだった。
ゆえに邪魔者はなく、決闘は完全なる一対一に。
スパーダと魔帝、再会した両者は言葉を交わすことはなかった。
その意味が無かったからである。
これより魂そのものを衝突させて、
あらゆる衝動と思念を互いに曝け出すのだから。
両者は一拍の沈黙の後、その全ての力を解放し、
ついに究極の戦いが始まった。
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