285:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:31:48.77 ID:XVB8s0iW0
その決闘は、魔帝が瞬時に創った隔離領域にて行われた。
これは彼自身が自らのために設計し、
強度を極限まで高めた決闘用の「舞台」だった。
両者は俗宇宙から離れた隔絶世界にて、
あらゆる殻を捨て去り、ただただ純粋な戦士と成り、
総力を、そして曝けだした思念をひたすらに衝突させた。
ゆえにこの決闘はある種の『会話』であり、
そしてお互いのあらゆる要素の『共有』でもあった。
両者の全てが交差し摩擦する中、スパーダの剥きだしの思念を通して、
魔帝はそこで初めて「人間の愛」に触れた。
だがそれに魅了されたスパーダとは異なり、
魔帝が抱いた感情はさらなる「憎悪」だった。
悪意の権化たる魔帝にとって、
人間の愛など恐ろしいほどに不快に感じられたのである。
真っ向から拒絶し、そしてよりスパーダに失望し、憎悪し、
さらなる悪意を放つ、
それが「人間の愛」を知った魔帝の回答だった。
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