264:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:21:14.92 ID:XVB8s0iW0
元より、賢者・魔女に共闘を申しこむつもりはなかった。
聞く耳を持たれないのは確実だった。
正体を明かした上での彼の言葉など、
265:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:21:44.99 ID:XVB8s0iW0
愛する人にそう受け取られてしまうなんて、
スパーダには耐え難いものがあった。
人の心を獲得し、本物の愛を知ったからこその苦痛だった。
266:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:22:11.36 ID:XVB8s0iW0
彼はいつものようにヴィグリッド中央に赴き、エヴァを訪ねた。
そして普段どおりの穏やかな口調で、
真実の全てを告げた。
267:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:22:38.42 ID:XVB8s0iW0
この途方もない話に、
壁際で聞いていたエヴァの護衛の魔女たちは当初
何かの冗談だとして誰も真に受けていなかった。
268:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:23:05.42 ID:XVB8s0iW0
しかしその行動は、
この悪魔が侵犯者スパーダであることを改めて証明したに過ぎなかった。
彼女たちは容易く制圧された。
命を奪われるどころか、
269:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:23:31.80 ID:XVB8s0iW0
しかしそこで思わぬことが起きた。
エヴァに呼び止められたのである。
それも彼女の立場上、
270:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:23:58.72 ID:XVB8s0iW0
その言葉には、発したエヴァ自身が誰よりも驚いていた。
よく考えず、ろくな意図もなく
衝動的に発してしまったからである。
271:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:24:26.97 ID:XVB8s0iW0
彼女の頭の中では、魔女としての理性が叫んでいた。
信じるな、誑かされるな、相手は所詮は悪魔であると。
悪魔は単なる契約対象であり、
272:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:24:55.40 ID:XVB8s0iW0
その二度目の発言、そして彼女の佇まいの意味するところは、
スパーダもすぐに理解した。
「我侭」で真実を告げたばっかりに彼女を道連れにしてしまった、
273:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:25:21.66 ID:XVB8s0iW0
この時の二人は事実上、
全てを敵に回したも同然だった。
かたや同胞の魔族に抗う道へ、
274:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:25:49.28 ID:XVB8s0iW0
5 前夜
ヴィグリッドから脱出した二人は、
現実と虚無の間にある「狭間の領域」に潜った。
313Res/336.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20