ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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271:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:24:26.97 ID:XVB8s0iW0

彼女の頭の中では、魔女としての理性が叫んでいた。
信じるな、誑かされるな、相手は所詮は悪魔であると。

悪魔は単なる契約対象であり、
愛させることはあっても魔女側から愛するなど禁忌。

しかしそんな魔女としての鉄則を前にしても、
彼女の心はもう止まらなかった。
こみ上げてきた衝動の中、かの祖母の姿が脳裏に蘇った。
アンブラ族の掟に反してでも、己の道を貫いたその生き様を。

そしてエヴァの旅立ちを後押ししてくれた、かつての母の言葉も響いた。
前に踏み出すことを恐れるな、
己が正しいと思う道を歩め、と。

それら家族の生き様が、思い出がここでエヴァを導いた。
己の中に生きつづける母たちの支えを受けて、彼女は前に踏みだした。

魔女としての禁忌を犯してでも、
同胞たちに反逆者と見なされてでも、
全人類に憎まれることになろうとも。

この恐るべき「悪魔の中の悪魔」たる存在を信じて、
彼が果たそうとしている「正義」に自分も全身全霊を捧げる。
そして彼を愛しつづける、と。

その大いなる勇気と覚悟を胸にして、エヴァは再び口にした。
今度は真っ直ぐスパーダを見すえ、
手を差しだしながら、改めて一言。

「共に」と。


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