265:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:21:44.99 ID:XVB8s0iW0
愛する人にそう受け取られてしまうなんて、
スパーダには耐え難いものがあった。
人の心を獲得し、本物の愛を知ったからこその苦痛だった。
そしてスパーダは理性と感情の狭間で悩んだ末、
去る前にエヴァに真実を告げることにした。
魔帝に挑めばスパーダですら命を落としうる、
それゆえ真実を語る確かな機会は今しかない、
そんな理由もあった。
エヴァに、人間側に、
今のうちに「スパーダの真実」を託しておきたかった。
彼女たちと絆を育んだのは悪魔的な誑かしなんかではなく、
本当に愛していたと伝えておきたかった。
たとえ信じてもらえずとも、せめて記憶しておいてほしかった。
それは人の心を得たがゆえの、
スパーダの最後の我侭だった。
313Res/336.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20