ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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264:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:21:14.92 ID:XVB8s0iW0

元より、賢者・魔女に共闘を申しこむつもりはなかった。

聞く耳を持たれないのは確実だった。
正体を明かした上での彼の言葉など、
人間側からすれば信用に足る要素など一片も無い、確実に罠だと考える。

「スパーダ」という存在の過去の所業、
そしてそれを踏まえた人間達の評価と敵意は、
どのような言葉をもってしても拭えるものではないのだから。

そのため、彼はもうヴィグリッドに居続ける理由はなかった。
むしろ人間側に余計な混乱をもたらさないためにも、
速やかに離脱するべきだった。


そうしてスパーダは立ち去ることに決めたが、
そこで彼は少し逡巡した。

状況的には誰にも何も言わず去るのが最善、
というのはわかっていたが、親しき者たちのことを思うと
心象的にはとにかく辛いものがあった。

特にエヴァである。
愛した「銀髪の魔剣士」がスパーダだった、
それを知ったときの彼女の衝撃と悲嘆を思うと、
どうしても心が痛んでしまった。
自分は「悪魔」に誑かされたのか、と彼女は思うかもしれない。
全ては偽り、愛も幻に過ぎなかったのか、と。



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