256:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:15:57.84 ID:XVB8s0iW0
3 選択
現実問題として、近いうちに魔帝は必ず侵略を開始する。
以前ならば、スパーダはそれに呼応して人間界を攻撃するつもりであった。
257:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:16:25.50 ID:XVB8s0iW0
とはいえ、反対に人間側について魔帝陣営と戦う、
という選択肢にも大きな抵抗感があった。
彼は人間に惹かれ慈しむようになったが、
258:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:16:58.20 ID:XVB8s0iW0
彼が支援兵団に在籍して九年目のある日、
ヴィグリッド内が俄にざわめくこととなった。
かの長らく行方知れずだった「侵犯者スパーダ」、
259:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:18:47.15 ID:XVB8s0iW0
これはまさに、スパーダの現状を大きく崩す一手だった。
ひとたび手がかりを得たら、
賢者と魔女はその技術を駆使して必ずスパーダに辿りつく。
260:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:19:13.36 ID:XVB8s0iW0
選択を迫られたスパーダの思考は、
魔帝がまったく予期していなかった方向へと進んだ。
この状況に陥った際、彼が真っ先に抱いたのは
261:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:19:40.86 ID:XVB8s0iW0
ただ幸い、状況を精査してみると、
友人もエヴァもみな危険はなさそうだった。
やはり賢者・魔女当局からの嫌疑は免れないものの、
世界の目による精神解析によって
262:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:20:17.95 ID:XVB8s0iW0
しかし今や、そのような甘さは断たなければならなかった。
魔帝の「伝言」は甘えていたスパーダを叩き起こし、
とことん悪辣にして冷酷な現実を突きつけてきた。
263:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:20:44.44 ID:XVB8s0iW0
4 裏切りの愛
魔帝と戦い、人間界を守る。
それはスパーダにとっても至難だった。
264:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:21:14.92 ID:XVB8s0iW0
元より、賢者・魔女に共闘を申しこむつもりはなかった。
聞く耳を持たれないのは確実だった。
正体を明かした上での彼の言葉など、
265:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:21:44.99 ID:XVB8s0iW0
愛する人にそう受け取られてしまうなんて、
スパーダには耐え難いものがあった。
人の心を獲得し、本物の愛を知ったからこその苦痛だった。
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