256:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:15:57.84 ID:XVB8s0iW0
3 選択
現実問題として、近いうちに魔帝は必ず侵略を開始する。
以前ならば、スパーダはそれに呼応して人間界を攻撃するつもりであった。
人間的な心がどうであろうと、不変の現実たる悪魔の本分を優先して。
しかし特定の存在をも愛し、人の心を完成させてしまった彼は、
もはや今までのようには考えられなくなっていた。
エヴァにも刃を向けなければならない事態、それを想像してしまうと
彼の冷酷な悪魔的一面すらも揺らいでしまっていた。
それゆえ、魔帝側について人間を攻撃することにも
大きな迷いを抱くようになっていた。
また「中立で参戦しない」という選択肢も受け入れがたいものだった。
ひとたび戦端が開かれたら
人界が甚大な被害に見舞われるのは避けられない。
一応は勝機があると考えている賢者・魔女による推計ですら、
人類の9割以上が死亡すると算出されていたほどである。
それは事実上、現行の人間界が一度ほぼ滅亡するということであり、
そんな光景をただ眺めているのもスパーダには耐えられなかった。
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