259:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:18:47.15 ID:XVB8s0iW0
これはまさに、スパーダの現状を大きく崩す一手だった。
ひとたび手がかりを得たら、
賢者と魔女はその技術を駆使して必ずスパーダに辿りつく。
彼が人間界に入ったこと、
そしてここヴィグリッドに向かったこと、
さらには潜り込んだこともすぐに発覚し、
この「銀髪の魔剣士」の正体も暴かれることになる。
そしてこの満たされた日々もついに終わる。
魔帝の一手は的確に、
スパーダへと否応なく行動の時を突きつけたのである。
だが、魔帝側は一点だけ見誤っていた。
それは彼が悪魔的悪意の権化であり、
人間的性質とは程遠い人格であるがゆえの失敗だった。
スパーダの精神状態をまったく理解できていなかった。
この男がいまや悪魔的な衝動ではなく、
人間的な心で動いていることを。
ましてや人間を「愛」しているなど思いもよらなかった。
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