171:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:26:59.80 ID:XVB8s0iW0
4 「黒幕」と魔帝
魔帝は人間界の動向を注視していた。
172:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:27:27.16 ID:XVB8s0iW0
二つめは、魔帝は外部から観察していたという点である。
天界・人間界勢は混迷した渦中にあり、
竜王討伐と人間界の修復、魔女の強硬策といった問題に集中するあまり、
173:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:27:53.68 ID:XVB8s0iW0
そしてもし黒幕が存在するのならば、
魔帝にとって見過ごせない問題であった。
人間界を覆うほどの策略ということは、
「世界の目」もその黒幕の術中に置かれるからである。
174:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:28:21.94 ID:XVB8s0iW0
黒幕の尻尾を掴むにはやはり、
まずは『混淆』について分析する必要があった。
とはいえ、『混淆』を含む竜王の残骸はこの時期、
175:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:28:51.81 ID:XVB8s0iW0
だが、ごく少数であっても
『混淆』の記録が魔界に渡ったという時点で
魔帝にとっては充分だった。
一部の大悪魔たちが『混淆』の記録を入手したと知るや、
176:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:29:20.81 ID:XVB8s0iW0
ともあれ、こうして記録入手に成功した魔帝は
すぐに詳細分析を行った。
『混淆』の力、すでに魔女によって入念な分析が行われていたものの、
由来を含めて詳細は未だ解明されていない。
177:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:29:48.75 ID:XVB8s0iW0
こうして得られた知見は、
魔帝にとって想像以上の収穫だった。
『無』の力を有しているかもしれないロキの行方は、
魔帝にとって長らく最大の問題であったが、
178:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:30:20.10 ID:XVB8s0iW0
黒幕がいると前提した場合、
現時点のその目的はあくまで人間界に不和を植えつけることであり、
即時の破壊行為は望んでいないと考えられた。
179:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:30:46.43 ID:XVB8s0iW0
だが二番目の個体も相応に強力であった。
これが滞りなく人間界内に到達した場合、
瞬時に爆発的な暴走を起こし、
天界勢が完成させたばかりのオーディン位相群を大きく壊し、
180:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:31:13.18 ID:XVB8s0iW0
この瞬間、まず天界・賢者・魔女とは異なる、
未知の何者かが虚無に潜んでいる点は確定した。
そしてその存在が相応に強大な存在であることも。
181:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:31:40.87 ID:XVB8s0iW0
その情報をさらに分析すると、
ついに具体的な正体にまで迫ることもできた。
ナイトメアを葬った攻撃は、
『無』ではないにせよオリジナルのOMNEの力だったのである。
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