171:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:26:59.80 ID:XVB8s0iW0
4 「黒幕」と魔帝
魔帝は人間界の動向を注視していた。
肥大を続ける己の力、
それを自力で安定させることに失敗した彼にとって、
「世界の目」こそが問題を解決しうる
次なる可能性だったために。
その視線はきわめて悪意に満ちていたものの、
皮肉にも悪意に満ちていたからこそ
彼だけがある真実に気づくことになった。
ことの真相を暴くにあたって、
天界・人間界勢と比較して、魔帝には大きく三つの有利な点があった。
一つは、彼はOMNE関連の知識においては、
天界・人間界の者たちを凌駕していた点である。
当のジュベレウスが眠ってしまっている天界勢や、
「世界の目」をあくまで「与えられた者」でしかない賢者・魔女では、
OMNE分野の認識には限界があった。
一方で魔帝は自力で獲得したうえ、
大勢の侵犯者ともかつて共に戦い、あるいは共食いしてきており、
ジュベレウスとも干戈を交えた経験もあった。
さらに「果実」獲得後は自身の「創造」をより入念に分析し実験も重ねていたため、
OMNE分野の知識は天界・人間界勢を遥かに凌駕していたのである。
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