179:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:30:46.43 ID:XVB8s0iW0
だが二番目の個体も相応に強力であった。
これが滞りなく人間界内に到達した場合、
瞬時に爆発的な暴走を起こし、
天界勢が完成させたばかりのオーディン位相群を大きく壊し、
人間界の苗床にも損傷を与える可能性が高かった。
最終的には賢者・魔女や魔神らによって排除されるのは確実なものの、
人間界が大破壊に見舞われるのも確実。
一方で、そもそも自我なく暴走するだけであるため、
「世界の目」を欲するなどの余計な野心も抱かない。
さらにもともと実験体ゆえ、あらゆる情報を魔帝に送るように設定されており、
交戦対象の詳細を知ることも容易。
黒幕への餌として、そしてその正体を探る上では最適だった。
そのナイトメアの迎撃にもしも『無』が使用されたら、
黒幕はロキだと確定する。
『無』が使用されなくとも迎撃行動さえあれば、
その痕跡から相手の力量や性質を詳細分析して判断可能。
また一切反応がなければ、
黒幕は何ら手を打てないほどに矮小な者か、
そもそも黒幕の存在自体が魔帝の杞憂だったということも。
どのような結果になろうと、
何らかの決定的な情報を得られる可能性は高かった。
そうして黒幕を誘いだすべく、魔帝はついにナイトメアを放った。
一切の前触れなく、天界勢や賢者・魔女には
完全な不意打ちになるように。
そして結果は、彼を柄にもなく興奮させるほどのものだった。
ナイトメアは人間界の現実表層に侵入する寸前、
「狭間の領域」の一層にて破壊され爆発したのである。
明らかに天界勢や賢者・魔女が検知しえない早い段階にて、
強烈な攻撃によって一瞬かつ一撃で。
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