178:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:30:20.10 ID:XVB8s0iW0
黒幕がいると前提した場合、
現時点のその目的はあくまで人間界に不和を植えつけることであり、
即時の破壊行為は望んでいないと考えられた。
OMNEの力を他者に与えられるほどの存在が
即時の人間界破壊を目的とするならば、
こんな回りくどい方法は必要ないからである。
それゆえ最終的な目的はどうであれ、
現時点では人間界を維持させることが黒幕の方針と推測できる。
ならばここで破壊的な介入があれば、
黒幕がそれを防ごうと動きだすかもしれない、
すなわち誘き出せる、そう魔帝は考えた。
当然、魔帝自ら殴りこむわけにはいかなかった。
だが大軍勢をけしかけるのも、その統率の問題で選択できなかった。
魔帝から遠く離れることで将たちが好き勝手に行動するのは確実であり、
中には「世界の目」を手に入れようと
野心に駆られる者も確実に現れるからである。
かといって大悪魔の将を単体で送りこむ程度では、
賢者・魔女によって容易に排除されてしまうため、そもそも黒幕を誘いだせない。
そこで魔帝は、ある切り札を用いることにした。
それは「ナイトメア」と呼ばれる一群である。
かつてスパーダの力の制御手法を真似て創ったものの、
実験に失敗、そのまま保存されていた魔帝の分離体の試作器たちである。
多数あったナイトメアのうち、
二番目に強力な個体を人間界に撃ちこむことにした。
果実も与えられた一番強力な個体が用いられなかったのは、
それがあまりに強すぎて
魔帝が制御しきれなくなる可能性があったからである。
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