175:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:28:51.81 ID:XVB8s0iW0
だが、ごく少数であっても
『混淆』の記録が魔界に渡ったという時点で
魔帝にとっては充分だった。
一部の大悪魔たちが『混淆』の記録を入手したと知るや、
魔帝自らが出陣し、その全員を殺害して記録を強奪した。
記録保持者を一人残さず追って殺したのは、
「『混淆』に手を出した者共の粛清」という建前を強調し、
魔帝自身が記録を求めていたという真の目的を隠すためである。
この魔帝自らが粛清に動いたことで
「創造」に『混淆』が効くという噂が
より真実味をもって魔界に広まったが、これについては魔帝はあえて放置した。
「創造」に『混淆』が効くというのが事実だとしても、
魔帝はなんら脅威を抱かなかったからである。
そもそも魔帝ら侵犯者たちは、
OMNEの力を獲得したから強大になったのではなく、
強大だったからこそ自力でOMNEの域に達して獲得できたのである。
OMNEの領域に達しない存在がOMNEの力を貰い受けたところで、
使用者の力量が不十分なのだから真の脅威には成りえない、
それが魔帝の考えだった。
また、この魔帝の放置姿勢がなくとも
「創造」に『混淆』が効くという噂は徐々に関心が失われていった。
魔帝による粛清以降、
魔女側が『混淆』の記録を門外不出としたからである。
記録を渡せばそのたびに大事な契約相手が魔帝に殺される、
これは魔女にとって不利益でしかなかった。
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