ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ダドリー・ダーズリー「……わかった」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:26:44.33 ID:43J6jqUVO
「小僧。お前が学んだ中には役に立ちそうなものはあるのか? たとえば、不安定になってしまった精神を落ち着かせるものや……」
「叔父さん?」

ハリーは思わず訊ね返していた。あまりにもそれがおかしな問いかけだったからだ。
あのバーノン叔父さんがよもやハリーに対して役に立つ魔法の存在を確認するなんて。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:28:21.97 ID:43J6jqUVO
「まずは詳しい状況を教えて欲しい。じゃないと、魔法が効くかどうかは判断出来ない」

自分が校外では魔法を使えないことを伏せて、なるべく正論のようにハリーは諭す。
バーノン叔父さんは仕方なく、語り始めた。

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:30:06.18 ID:43J6jqUVO
「叔父さん。確認するけど、引きこもる前のダドリーは毎日怪我していたり持ち物がなくなっていたわけじゃないんだよね?」
「当たり前だ。もしそんな前兆かあったのならこうなる前に別の学校に転校させている」

だろうなと頷きつつ、少なくとも表面的な問題ではなく、内面的なことだろうと察した。

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:31:40.82 ID:43J6jqUVO
「ダドリー」

ノックして、返事を待つ。応答はなかった。

「入るよ」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:33:44.80 ID:43J6jqUVO
「じゃあ、嘲笑いにきたのか?」

さて、どうだろう。そうなのかも知れない。
自分にはダドリーを救う気なんてこれっぽっちもなくて、ただ引きこもりになった嫌な従兄を嘲笑いに来ただけ。それだけだろうか。

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:35:26.28 ID:43J6jqUVO
「今のところ実害はないにせよ、叔父さんと叔母さんはそのうち僕に責任転嫁しそうだからね。お前の杖から出る毒電波が、だとか」
「杖、あるのか?」
「あるよ、ほら」

ハリーがポッケから杖を取り出して見せると、ダドリーはスゲーと目を輝かせた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:37:25.26 ID:43J6jqUVO
「パパの会社の社員の子供が周りに集まっていつの間にかリーダーみたいになってさ」
「裏で陰口を言われたりした?」
「そんなのは別に気にしない。ただそいつらが、クラスメイトをいじめてるのを客観的に見たら……もう学校に行くのが嫌になった」

その説明になるほどと、ハリーは納得した。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:38:59.24 ID:43J6jqUVO
「挙句の果てにあんなに蔑ろにしていたお前を頼って自分の息子に魔法までかけさせようとするなんて、パパもママもどうかしてる」

ダドリー。少し見ないうちに見違えたよ。
通常、親の庇護下に置かれた子供が自分の環境に疑問を持つことは難しい。それが現実。
それだけが現実であり、学校生活という環境の変化によって、違和感を覚えたのだろう。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:41:12.49 ID:43J6jqUVO
「お前が英雄とはな」
「君が引きこもりとはね」

口に出すと、なんだかおかしくってふたりして噴き出した。久しぶりに、笑い合った。
久しぶりすぎて、最後にふたりで笑い合ったのがいつだったかは定かではないが、こうして仲良く笑い合った頃が、確かにあった。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:44:25.21 ID:43J6jqUVO
「ともあれ、お前は楽しそうだな」
「まあね」

ハリーが学校生活を謳歌していることについてダドリーは僻んだり妬んだりしなかった。

以下略 AAS



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