佐々木「これがシュタインズ・ゲートの選択だよ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/28(日) 20:57:24.15 ID:gYxSR/SRO
もしも佐々木にファンが存在するのだとしたら、その持ち前の聡明さや常識に則った言動、そして如何なる時でも発揮される沈着冷静ぶりを気に入ったのだろうということは想像に難くないが、とはいえ、女子の癖に自分のことを僕と言う佐々木が果たして常識に則った言動をしているかと問われれば、疑問が生じるのもまた事実である。

たしかに中学時代、それなりに親しくしていた俺の目から見ても佐々木は常識人のように映ったが、それはあくまでも主観的な話であり、客観的に見れば女子が男子に対して男のように振る舞い、そしてそいつに男友達と同じように接する俺の態度は甚だ奇異に映っていたに違いない。

しかしながらこちらとしては今更友人に対する態度を変えるつもりはなく、どれだけそれが周りから見て不自然な光景だろうと構いやしないのさと、お互い歯牙にも掛けずに俺と佐々木は帰り道を共にしていた。

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2:名無しNIPPER[sage sage]
2021/03/28(日) 21:00:35.28 ID:gYxSR/SRO
塾帰りで、辺りは真っ暗で、頭上を見上げるとキラキラとお星様が瞬いているような、そんな夜だった。人気のない静かな夜道に俺がチャリを押すカラカラとした音が響き、そして互いの靴底がジャリジャリと舗装路を踏みしめる音しか聞こえない。

佐々木はわりとお喋りな奴だが、俺がそう遠くない未来に遭遇するであろう何処かの機関に所属する無駄にハンサムな超能力者とは違い、時と場合に応じてちゃんと口を閉じる分別を弁えた良く出来た友人であった。

静かにそしてゆっくりと流れる時間は、俺の精神を落ち着かせ、寛ぎすら与えてくれる。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/28(日) 21:03:01.21 ID:gYxSR/SRO
「あの、佐々木さん……?」

おずおずと声をかけると、佐々木は無言で白衣を脱いで鞄に仕舞い、また歩き始めた。
佐々木の言葉が本当ならついさっき世界は再構築されたらしいが、周辺を見渡しても何も変わったようには見えない。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/28(日) 21:05:26.62 ID:gYxSR/SRO
「過去に干渉ってのはどういう意味だ?」
「そうだね。わかりやすく例えるならば」

佐々木は頭上に輝く星々を指差して語る。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/28(日) 21:08:06.89 ID:gYxSR/SRO
「キョン。仮に世界が変わったとしたらそれは奇妙なんだ。たとえば夜が存在しない世界に変わったとして、いきなり昼となり周囲が明るくなったことにキミは驚くかも知れないが、その世界に住む者にとってはそれが常識で普通のことだ。そしてキミもまたそれを当然として受け入れられなければおかしい」

もしもそんなヘンテコな世界になったとしたら、たしかにそれを異常と認識するよりもそれを普通のことと受け入れられたほうが精神衛生上良さそうだとは思うが、待ってくれ。

「本当に記憶にないのか?」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/28(日) 21:10:07.00 ID:gYxSR/SRO
「安心したまえ。キミが世界の再構築に際して違和感を覚えていないということは、世界の根幹は大きく変わってはいないのだろう。恐らく、変わったのは僕らの周辺だけの限定的なものと推察する。さて、それは何か」

何かと言われても特にこれと言って変化は感じられない。塾終わりに帰路を共にして、今に至るその流れに変化があるとは思えない。

「おや? そう言えば、ここに来るまでの道中、僕はキミと手を繋いでいたんだけど、そのことについては記憶にないのかい?」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/28(日) 21:11:47.99 ID:gYxSR/SRO
「やれやれ。付き合ってもうしばらく経つというのに、キミは変わらず照れ屋のままだね。まあ、そんなところもキミの魅力だが」

まじまじと佐々木を見る。今なんと言った?

「なんだいキョン。こんなところでじっと見つめるなんて。そういうことは時と場所を」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/28(日) 21:13:52.89 ID:gYxSR/SRO
「キョン。キミは嬉しくないのかい?」

嬉しいか嬉しくないかと問われれば微妙なところだ。佐々木とは気が合うし、良い奴だとは思う。しかし、ではいきなり付き合えるかと言えば話は別で、そもそもこちらがそう思ったとしても佐々木は恋愛感情など精神病の一種だと切り捨てて、取りあってくれないとばかり思っていて、つまり、だから、俺は。

「混乱しているようだね。とはいえ、その態度から察するに元の世界においてもキミは僕のことを憎からず思っていてくれたらしい。ようするにその世界では僕らの関係が進展するきっかけがなかったのだろう。そしてそのきっかけを、未来の僕がくれたわけだ」
以下略 AAS



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