高垣楓「あなたがいない」
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132: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:32:48.97 ID:CC20O+KU0

 翌朝。もう退院することを告げられる。
 頭を打っていたため一応異常がないかを観察していたそうで、CTなどで異常がないことを確認してから、という条件ではあるけれど、めでたく放免ということらしい。
 事務所にも連絡が行っていたようで、社長さんとちひろさんが見舞いに来てくれていた。

以下略 AAS



133: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:33:54.19 ID:CC20O+KU0

「なんかお待たせして、ごめんなさい」
「いいですいいです。気にしないで」

 彼女の笑顔に救われる。昨日より心が動いていることに、私はふと気付いた。
以下略 AAS



134: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:34:39.47 ID:CC20O+KU0

「ただいまー」
「お邪魔しまーす」

 私は足を引きずりつつ、ちひろさんをリビングへ案内した。
以下略 AAS



135: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:35:34.02 ID:CC20O+KU0

「楓さん。お夕飯どうします?」
「あ。ええ、そうですねえ……あまり食欲もないので」
「食べないのは、いけませんよ?」
「……そうですね。じゃあ、軽いものをなにか」
以下略 AAS



136: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:36:07.09 ID:CC20O+KU0

 足を引きずり、寝室へ。どうにか寝間着に着替え、私は睡眠薬を取り出す。
 ふと、思う。

 これをいっぱい飲んだら、目覚めなくなるのかしら。
以下略 AAS



137: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:37:39.80 ID:CC20O+KU0

 その言葉どおり、朝は来た。リビングに行ってみると、ちひろさんがすでに朝食の準備をしている。

「あ。おはようございます」

以下略 AAS



138: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:38:12.84 ID:CC20O+KU0

「高垣さん、おはようございます。お体、いかがですか?」
「ええ、おとといよりはだいぶましになりましたけど」

 社長さんの問いかけに私は素直に答える。
以下略 AAS



139: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:38:53.30 ID:CC20O+KU0

「それと、その後の対応についても、いろいろお手を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした」
「いえ、いいんです。それが私たちの仕事です」

 私の謝罪に、社長さんは事もなげに言った。
以下略 AAS



140: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:39:29.05 ID:CC20O+KU0

 社長さんはそう言ってくれたものの、事故を起こしたアイドルへの風当たりは、間違いなくきついものだろう。
 しかし私には、それを説明できる言葉を持たない。なぜなら。
 私にも、よく分からないのだから。
 ただ人前に出るには、若干の猶予をいただいたのだ。それを無碍にするわけにはいかない。
以下略 AAS



141: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:40:10.41 ID:CC20O+KU0

 翌日。
 クリニックを受診することになった。今日は、ちひろさんも一緒に。

「私もまだお世話になってますから。ちょうどいいです」
以下略 AAS



142: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:40:46.34 ID:CC20O+KU0

 うつむいた顔を上げる。私は、先生の言ったことがよく理解できてない。

「なに、を」
「診断書も書きます。高垣さん。お仕事を休まれたほうが」
以下略 AAS



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