高垣楓「あなたがいない」
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135: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:35:34.02 ID:CC20O+KU0

「楓さん。お夕飯どうします?」
「あ。ええ、そうですねえ……あまり食欲もないので」
「食べないのは、いけませんよ?」
「……そうですね。じゃあ、軽いものをなにか」

 ちひろさんは、冷蔵庫の中身でリゾットと温野菜サラダを作ってくれる。その温かさが私の体に染み渡っていく。

「ちひろさん。今日はなにからなにまで、ありがとうございます」
「いえ。私のわがままですから」
「え? ここに泊まるのって、社長さんからの指示では?」
「いえ? 私の独断です」

 そう、なのか。だとしたら本当に、申し訳ないことをしている。
 ううん。今日はもう、そういうことを考えるのはよそう。彼女の気持ちを蔑ろにする、から。
 食事も終わり、さすがに足をくじいている状態で風呂に入るわけにもいかないので、着替えて寝ることにする。

「じゃあちひろさんは、自由にお風呂とか使ってください、ね」
「はい、ありがとうございます。片付けは私がやっちゃいますから、今日はもう休んでください」
「……ありがとう」
「いえ。おやすみなさい」




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