高垣楓「あなたがいない」
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141: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:40:10.41 ID:CC20O+KU0

 翌日。
 クリニックを受診することになった。今日は、ちひろさんも一緒に。

「私もまだお世話になってますから。ちょうどいいです」

 そうちひろさんは言うけれど、私は申し訳なさでいっぱい。うつむいたままタクシーに乗り、いつものクリニックへと近づいていく。

「ニュースで拝見しました……大変でしたね」

 開口一番、先生は私に言う。

「いえ、本当にお騒がせして、申し訳ありません」
「いや私はその場にいたわけじゃないですし、謝らないでください」

 沈黙が、診察室を包む。

「高垣さん。今の高垣さんを見ていると、本当につらそうで心が痛みます」

 先生が言う。私は、なにも答えられない。

「大変申し上げづらいことですが……しばらく、お仕事を休まれてはいかがですか?」
「え?」




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