140: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:39:29.05 ID:CC20O+KU0
社長さんはそう言ってくれたものの、事故を起こしたアイドルへの風当たりは、間違いなくきついものだろう。
しかし私には、それを説明できる言葉を持たない。なぜなら。
私にも、よく分からないのだから。
ただ人前に出るには、若干の猶予をいただいたのだ。それを無碍にするわけにはいかない。
同じように私は、プロデューサーへも謝罪する。
「いや、本当に楓さんが無事で、それだけでよかったですよ」
プロデューサーは言った。
「あの……この件で取材とかは」
「ああ、それなら問題ないです。任せてください」
私が尋ねてもプロデューサーは答えない。それがいっそう、私の心を曇らせる。
これでいいのか、いやよくはないけれど。
今、私にできることは、ないのだ。
そのことが、ただ悲しかった。無力な、私。
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