魔王と魔法使いと失われた記憶
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111: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:14:20.10 ID:8Z5elHuBO
ユングヴィ教団の大聖堂は、街の真ん中にある。鋭い尖塔と、その上部の大時計はモリブスのシンボルだ。
何でも500年前、世界を救った英雄とその仲間が私財を投げ打って作ったらしい。
ユングヴィ教団というとイーリス聖王国の印象が強いけれど、元を辿ればここが発祥なのだという。一生のうち一度は必ずここを訪れるのが、熱心なユングヴィ教徒の決まりだ。

私たちは、その下にいた。初秋とはいえ、モリブスの陽射しは暑い。私は眼鏡を外し、眼を拭った。
以下略 AAS



112: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:15:22.85 ID:8Z5elHuBO
「……やれやれ」

「『やれやれ』じゃないわよ!もう少し穏便にできないの?」

「穏便にできないのはあいつの方だ。そもそも、お前はモリブスのユングヴィ教団の事情を知らんだろう?」
以下略 AAS



113: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:16:33.22 ID:8Z5elHuBO
小さな声で詠唱する。全神経を大地に集中し、精霊の「動き」を水晶玉に集めた。
「再生時間」が短いのは救いだった。いつ殺されたかが大体分かっているから、無駄な時間の「再生」は少なくてすむ。

半刻より前に、ぼんやりと水晶玉に映像が浮かび上がった。大聖堂入口の薄明かりが、中年の女性と若い男性2人を照らしている。
何か話しているようだけど、会話内容は声が小さすぎて分からない。……この辺りも、要改善かな。
以下略 AAS



114: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:17:50.86 ID:8Z5elHuBO


「え??」


以下略 AAS



115: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:19:12.21 ID:8Z5elHuBO
#

モリブスの繁華街を通り過ぎ、旧市街に入ると異臭が鼻を突いた。香辛料の香りに生臭い何かやすえた臭いが混じった、酷く不快な空気だ。
街並みもボロボロの建物が目立つ。道行く人たちは皆身なりがみすぼらしく、目がギラギラと光っていた。

以下略 AAS



116: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:21:06.19 ID:8Z5elHuBO
向こうから狐の耳のようなものを付けた女性が男2人とやってきた。男の1人はコボルトで、もう1人は場違いにも思える燕尾服を着た人間の男性だ。
女性は白く長い髪で、扇情的な露出の多い服を着ている。ツンと張った乳房と少し厚みのある唇は、同じ女の私から見ても色っぽい。
お尻から尻尾が何本かゆらゆらと揺れている。……娼婦、じゃなさそうだな。

「あ゛、姐ざんっ!!」
以下略 AAS



117: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:23:48.92 ID:8Z5elHuBO
#

ワイルダ組の応接間は、思いの外飾り気がなかった。無頼衆というと、派手で怖い先入観があったけど……

「つまらない部屋だろう?」
以下略 AAS



118: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:24:19.46 ID:8Z5elHuBO
デボラさんがお茶を飲み、深い溜め息をついた。

「この1ヶ月、夜になると原因不明の殺しが起きるんだ。しかも誰がやったかも分からない。
殺されたのは要人が多いけど、堅気も結構殺されてる。女子供もね」

以下略 AAS



119: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:24:50.29 ID:8Z5elHuBO
第6話はここまで。


120: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:36:37.64 ID:8Z5elHuBO
訂正です。

>>112は「2日前」→「3日前」です。
第5話の後、1日経過しています。


121: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 22:28:42.34 ID:8Z5elHuBO
設定紹介

ユングヴィ教団

北ガリア大陸で広く信仰されている宗教。一神教ではあるが、神への帰依を強く主張する原理派と、人に交わることを是とする世俗派が存在する。両者の対立の歴史は長い。
以下略 AAS



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