104: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:10:19.65 ID:cAlXBzjlO
「要は冤罪の可能性がある、ってことだ。まあ、ケインがサンタヴィラ王国を壊滅させたという証人は『三聖女』がいるわけだがな。だが、絶対にあれには裏がある。
それが分かれば、魔族復権につながる可能性すらある。そうだろ、エリック」
魔王は「……ふん」と短く言った。
105: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:12:17.80 ID:cAlXBzjlO
魔王が険しい顔になってジャックさんに詰め寄った。
「ちょっと待て。お前も知ってるだろうが、こいつは狙われてるんだぞ??」
「そうだ。ただ、ジョイスの手によるものじゃない。まあ政敵を殺しまくっているであろうエストラーダは、真相を知られかねないから消したがっているだろうがな。
106: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:13:37.03 ID:cAlXBzjlO
#
魔王はジャックさんの家の前で待っていた。そして歩き出すなり小さく呟く。
「……すまなかったな」
107: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:14:30.28 ID:cAlXBzjlO
第5話はここまで。
108:名無しNIPPER[sage]
2020/08/16(日) 17:44:48.66 ID:k68JHorDO
乙乙
109: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/17(月) 01:05:18.63 ID:Ws0S9QYyO
設定紹介
モリブス公国
北ガリア大陸南東部に位置する合議制商業国家。南ガリア大陸との交易でここ10年で急速に栄えた。遥か東のアトランティア大陸とも交流がある。
110: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:13:08.11 ID:8Z5elHuBO
第6話
111: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:14:20.10 ID:8Z5elHuBO
ユングヴィ教団の大聖堂は、街の真ん中にある。鋭い尖塔と、その上部の大時計はモリブスのシンボルだ。
何でも500年前、世界を救った英雄とその仲間が私財を投げ打って作ったらしい。
ユングヴィ教団というとイーリス聖王国の印象が強いけれど、元を辿ればここが発祥なのだという。一生のうち一度は必ずここを訪れるのが、熱心なユングヴィ教徒の決まりだ。
私たちは、その下にいた。初秋とはいえ、モリブスの陽射しは暑い。私は眼鏡を外し、眼を拭った。
112: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:15:22.85 ID:8Z5elHuBO
「……やれやれ」
「『やれやれ』じゃないわよ!もう少し穏便にできないの?」
「穏便にできないのはあいつの方だ。そもそも、お前はモリブスのユングヴィ教団の事情を知らんだろう?」
113: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:16:33.22 ID:8Z5elHuBO
小さな声で詠唱する。全神経を大地に集中し、精霊の「動き」を水晶玉に集めた。
「再生時間」が短いのは救いだった。いつ殺されたかが大体分かっているから、無駄な時間の「再生」は少なくてすむ。
半刻より前に、ぼんやりと水晶玉に映像が浮かび上がった。大聖堂入口の薄明かりが、中年の女性と若い男性2人を照らしている。
何か話しているようだけど、会話内容は声が小さすぎて分からない。……この辺りも、要改善かな。
114: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:17:50.86 ID:8Z5elHuBO
「え??」
761Res/689.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20