105: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:12:17.80 ID:cAlXBzjlO
魔王が険しい顔になってジャックさんに詰め寄った。
「ちょっと待て。お前も知ってるだろうが、こいつは狙われてるんだぞ??」
「そうだ。ただ、ジョイスの手によるものじゃない。まあ政敵を殺しまくっているであろうエストラーダは、真相を知られかねないから消したがっているだろうがな。
どちらにしろ、安心して腰据えて修業したいなら、まずこの件の解決が必要ってわけだ」
「お前自身が解決すりゃいいだろ」
ジャックさんが呆れたように息をついた。
「この車椅子の身体でできるわけねえだろうが。いい年なんだからもう少し考えて物を言え、親父が泣くぞ?
というか、お前らがギクシャクしてんのもどうせお前が勝手にむくれてるんだろ?」
「……はあ??」
「図星だろ。そもそも、お前に女に対する免疫がないのは知ってる。まして、この娘の器量はなかなかだ。どう話せばいいのか分からねえんじゃねえのか?」
「そんなわけがっ!!」
魔王の顔が真っ赤になっている。
……え、そうなの?
「レミュー、エリックはこういう男だ。中身は見た目相当のところがあるが、悪い奴じゃない。ま、気長に付き合ってくれ」
「えっ……は、はあ……」
「チッ!!行くぞ!!!」
魔王は叫ぶと、部屋を出ていってしまった。
「ったく、素直じゃない奴だな……とりあえず、最近の殺しについての情報だ。一昨日の夜、ユングヴィ教団モリブス支部の前で大司教補佐のミリア・マルチネスが殺された。
何人か彼女と一緒にいたにもかかわらず、目撃者は何故かいない」
「……最近ですね。それにしても」
「ああ、奇妙だ。間違いなく、犯人は只者じゃない。もし何か分かったら、俺のところに来てくれ。修業はその後付けてやる」
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