58:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:51:06.74 ID:qe4+sBJv0
「ヨハネ。もう二度とあの子に近づかないこと。これはあの子を、この山を守るための上からの命令です。」
そんなヨハネに対して、マリーは冷ややかに言い放った。
「そんな……!」
59:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:52:08.58 ID:qe4+sBJv0
「あなたが仲良くなった女の子はすでに死んでいるはずの命だった。」
ヨハネは思わず耳を覆う。
それでも指の隙間から、容赦なくマリーによる「現実」が耳に流れ込む。
60:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:54:10.72 ID:qe4+sBJv0
「ヨハネ……」
目の前のマリーは大きく目を見開いている。その眼には、凛とした煌めきも怒りの色も無かった。
ただ、少しだけ悲しそうに揺らいでいた。
61:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:56:43.24 ID:qe4+sBJv0
ふと、近くの茂みでかさりと音が鳴る。
「花丸!」
音の正体はヨハネが一番会いたかった人だった、が──。
62:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:57:26.68 ID:qe4+sBJv0
自分が殺した。
自分は最愛の人のかけがえのない人を殺したのだ。
花丸を守りたい、という自分のエゴが殺した。
63:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:58:02.57 ID:qe4+sBJv0
64:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:59:04.63 ID:qe4+sBJv0
いや──
65:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:59:56.88 ID:qe4+sBJv0
花丸の背中を優しく撫でてあげる。
目の前でこんもりと盛り上がった土は、墓と呼ぶにはあまりにも簡素だった。
こんな幼子が大事な家族を亡くして、平気でいられるわけがない。
66:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:01:08.90 ID:qe4+sBJv0
怖くて顔を上げることができない。
「私、知ってたずら。」
「えっ?」
67:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 22:03:03.75 ID:qe4+sBJv0
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