42: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:33:34.00 ID:BHjCA0Mo0
「何があったかは、だいたい姉さんから聞いてますよね?」
可奈さんは、フンフンと鼻息を荒くして大きく頷いた。可奈さん、話を聞いてくれるのはありがたいですけど、そこまで前のめりに来られるとちょっとたじろいでしまいます。
43: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:34:50.61 ID:BHjCA0Mo0
「良かった〜。」
へ?あまりに予想してた反応と違うので、呆気にとられてしまう。なんでそんなふにゃっとした安心した笑顔なんですか可奈さん?今の話に良かったとこありました?
44: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:35:57.69 ID:BHjCA0Mo0
「そう考えると、志保ちゃんの言葉はちょっとデリカシーがないかな〜?きちんとりっくんが頑張ってること、認めてあげるべきかな〜。」
「でも、りっくんも悪いかな〜。自分の思ってること、志保ちゃんに伝えてないでしょ?だから、志保ちゃんもああいうこと言っちゃったんだと思うよ。」
45: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:37:05.73 ID:BHjCA0Mo0
「昔の姉さん」その言葉を聞いて思い出した。そういえば、プロデューサーさんが言っていた、「姉さんは初めから強かったのか」という問い、ズルのような気もするけど、可奈さんなら答えを知ってるかもしれない。
「可奈さんは、姉さんは初めから強い人間だったのだと思いますか?」
46: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:38:22.60 ID:BHjCA0Mo0
それから可奈さんはニコニコとパンケーキを平らげ、満足そうに帰って行った。「またくるね〜」とご機嫌だったので、また新たな常連客を獲得できたのかもしれない。
「陸くん、ちょっといいかな?」
47: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:39:23.86 ID:BHjCA0Mo0
「確かにニコニコさんもすっごく可愛いと思うんだけど、やっぱり陸君にお似合いなのは隅子さんだよ。仲直りした方がいいよ。」
...へ?どうやらマスターはありもしない三角関係を妄想し続けて、俺にアドバイスをくれているようだった。確かにあるよね、現実的でなくても空想し続けてると、だんだん現実じゃないかって誤認すること。
48: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:41:47.70 ID:BHjCA0Mo0
「りっくん、ごはんだよー。」
49: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:42:48.61 ID:BHjCA0Mo0
「こらこら喧嘩しないの、お父さんももう帰ってくるから、テーブルに座って待ってましょう。」
そう言って、母さんが俺と姉さんの間に入る。言い合いは一旦やめにして、テレビを見ながら父さんの帰りを待つことにする。
50: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:44:05.66 ID:BHjCA0Mo0
テレビから流れてくるアイドルの歌に耳を傾けていると、玄関が開く音がした。ドタドタドタと大人の男性の足音がして、ガチャっとリビングの扉が開く。
「ただいまー、メリークリスマス。」
51: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:45:12.94 ID:BHjCA0Mo0
気がつくと俺は庭にいた。中ではさっきまで俺が座っていたテーブルに、俺が座っているのが見える。知らない庭に、知らないリビング、知らない家。
ふと横を見ると姉さんがいた。俺はすぐに気がついた、これは中にいる姉さんと違う姉さんだ。姉さんはチラリと家の中を一瞥し、ふっと軽く微笑んだ。
66Res/58.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20