48: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:41:47.70 ID:BHjCA0Mo0
「りっくん、ごはんだよー。」
部屋の外から姉さんの声がする。俺は読んでいた漫画を放り投げて、階段を降りてリビングに向かう。テーブルにはサラダにチキン、ケーキなんかも用意されていた。そうだ、今日はクリスマスだ。
「りっくん、メリークリスマス。」
赤いサンタの帽子をかぶった姉が、ふにゃふにゃの笑顔で俺に言った。
「姉さんもメリークリスマス。でも姉さんさぁ、いい歳になって家族と過ごすクリスマスってのもどうかと思うよ。早くいい人見つけなよ。」
姉はぷーっと頬を膨らませて、俺の発言に抗議をする。
「仕方ないでしょ?社会人になるとね、職場の人としか会わないの。ウチは殆どの社員が女性だから、出会いもないんだってば。」
そこまで言って、姉は「あっ!」と何かを思い出した顔になったかと思うと、すぐにニヤニヤとした顔に変わった。
「でもー、りっくん私が高校生の時、家に彼氏連れてきたら、めちゃくちゃ動揺してたよね?はー、シスコンりっくんがお姉ちゃんの結婚を邪魔するのー。」
だだだだだだだだ誰がシスコンじゃい!だったら俺も言い返してやる。
「それをいうなら、姉さんが大学生の時、俺が彼女と遊園地でデートしたら一日中尾行してたじゃん!いい加減ブラコン治して結婚しろよ!」
姉さんはさっきよりも頬を大きくする。姉さんは気が優しすぎるからいつも口喧嘩に勝てないのに、学習せずに俺にちょっかいをかけてくる。
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