49: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:42:48.61 ID:BHjCA0Mo0
「こらこら喧嘩しないの、お父さんももう帰ってくるから、テーブルに座って待ってましょう。」
そう言って、母さんが俺と姉さんの間に入る。言い合いは一旦やめにして、テレビを見ながら父さんの帰りを待つことにする。
テレビではアイドルが歌っていた。めちゃくちゃカッコよくて、思わず聞き入ってしまうほどの力強い歌。
「この人すげー歌上手いな。誰だっけ?」
俺が尋ねると、姉さんは即答した。
「最上静香。カッコいいよね、芯の通った女性って感じで憧れちゃう。」
姉さんはキラキラした目で、はーっと感嘆のため息をつきながらテレビを見ている。
姉さんは昔アイドルに憧れていた。けれども、憧れていただけだ。優しすぎて競争が苦手な姉さんが、常に競争し続けないといけない世界で生きていけるわけがない。それは姉さん自身がよくわかっていた。
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