72:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 18:11:26.00 ID:SPkljqcV0
訳も分からぬまま加蓮の抱腹に付き合ってやると、
彼女のツボもようやく満足してくれたようです。
「はー……ふふっ……ね、プロデューサー」
73:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 18:24:34.93 ID:SPkljqcV0
今度はプロデューサーが口を丸くする番でした。
腕時計の文字盤を数秒だけ睨み付け、加蓮の手を引いて立ち上がらせます。
「確かに馬鹿だった! 観た事あると思い込んでた!」
74:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:09:28.69 ID:SPkljqcV0
分厚いドアを開いた途端に大音量が鼓膜を打ちました。
同時に始まった前奏は加蓮にとっても、かなり耳馴染みのあるメロディで。
機材席のスタッフに頭を下げつつ、彼は加蓮を手招きします。
75:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:12:39.92 ID:SPkljqcV0
『S(mile)ING!』
www.youtube.com
76:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:28:26.12 ID:SPkljqcV0
サイドポニーを揺らし、ふわふわのスカートを翻して。
両手でマイクを握りながら、こちらを見ていました。
77:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:40:44.40 ID:SPkljqcV0
業務中に何を持ち歩いてるんだとか、
ひょっとして三色とも持ってたりしないだろうなとか、
色々と言ってやりたい事はありました。
78:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:46:08.58 ID:SPkljqcV0
唄い終えた卯月に喝采が降り注ぎます。
コンサートライトを振りつつ大きな拍手をするのは難しいなと思いながら、
まぁいいかと気にせずライトのグリップをべちべちと叩いている途中でした。
79:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 20:47:44.70 ID:SPkljqcV0
「推しを見つけろって事でしょ」
「全然違う」
80:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 21:01:22.90 ID:SPkljqcV0
けれど、そんなのは最初だけでした。
卯月が手を振る度、卯月が跳ねる度、卯月が笑みを浮かべる度、
彼女の存在感はどんどんと膨らんでいって、
81:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 21:17:43.94 ID:SPkljqcV0
◇ ◇ ◆
「……ごめん。一箇所トチった」
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