もしもし、そこの加蓮さん。
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73:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 18:24:34.93 ID:SPkljqcV0

今度はプロデューサーが口を丸くする番でした。
腕時計の文字盤を数秒だけ睨み付け、加蓮の手を引いて立ち上がらせます。

 「確かに馬鹿だった! 観た事あると思い込んでた!」

 「ちょ……ちょっと? プロデューサー?」

 「行くぞ! 次の出番までまだある」

 「行くって、何処に?」

 「ライブを観るんだ」

ポケットから彼女の分のIDカードを取り出し、加蓮へと放りました。
事態を把握できないまま関係者席へ急ごうとし、慌てて呼び止められます。

 「加蓮、『そっち』じゃない! 『こっち』だ!」

 「え? だって、向こうは」

困惑する彼女の手を捕まえて、プロデューサーは長い廊下を走り出しました。
ピンヒールを履いたままの加蓮をこれでもかと急かし、
そのまま階段を駆け上がって、スタッフ用の通用口へと辿り着きます。


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