271:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:32:23.88 ID:7gnP6kF90
『光る螺旋を描いて行く――眩しい空へ飛び立った想いが…』
272:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:36:35.24 ID:7gnP6kF90
『もっと』
『もっと』
273:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:39:47.80 ID:7gnP6kF90
◇ ◇ ◆
「はぁ……はぁっ……は……っ」
274:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:44:32.87 ID:7gnP6kF90
美嘉に今度は背を撫でられて、
絶え絶えだった呼吸のリズムが少しずつ取り戻されていきます。
細く長く息を吐いて、加蓮は背筋をぴんと伸ばしました。
275:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:49:12.05 ID:7gnP6kF90
会場は静まり返って。
再びざわめき始めるまでの数十秒間を、
加蓮はマイクが壊れるほど強く握り締めながら待ちました。
276:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:52:40.96 ID:7gnP6kF90
がたっ、かたん。
背後で幾つもの音が聞こえました。
袖から出てきた奈緒が、凛が、卯月が、奏が椅子を持ち寄って、
277:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:53:31.62 ID:7gnP6kF90
『こうやって終演時刻を延ばしちゃうと、
きっとみんな困っちゃうと思うんだ。
お金だって掛かるし、スタッフさんも帰り辛いだろうし』
278:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:56:52.27 ID:7gnP6kF90
『ふふっ……大丈夫じゃないわね、ソレ』
束の間の笑いが収まると、再び会場が静まり返ります。
279:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:59:08.75 ID:7gnP6kF90
『実は私ね、昔はけっこう身体が弱かったんだ。
確か一回だけラジオで喋った覚えがあるから、中には知ってる人も居るのかな』
280:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 23:02:23.98 ID:7gnP6kF90
『そんな感じで、けっこう人生諦め入ってたんだよね、私って。
体調は少しずつ良くなってったけど、ボーっと生きて、ポテトとかアイスばっか食べてた』
『……アタシが見る限り、加蓮今でもそればっか食べてない?』
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