もしもし、そこの加蓮さん。
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278:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:56:52.27 ID:7gnP6kF90

 『ふふっ……大丈夫じゃないわね、ソレ』

束の間の笑いが収まると、再び会場が静まり返ります。

 『……んー……待たせちゃうお詫びに、ちょっと、私の話でもしよっか』

 『……いいのか?』

ステージ上である事も忘れ、奈緒がそっと訊ねました。

 『うん。みんなはどう? 聞いてくれる?』


返ってきた言葉はてんでバラバラでした。
それでも不思議と、何となく肯定してくれるのが分かってしまいます。
ちょっと感傷的過ぎるかなと、加蓮は頬の汗を拭いました。


話し出す前に、ついと足先を確かめました。
ふわり膨らんだ裾の向こうで見え隠れする両足には、
確かに立派な靴が填め込まれています。


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