25:名無しNIPPER[saga]
2020/04/26(日) 23:23:44.57 ID:DTyxDqAB0
「は、ぁっ……はぁ、っ……」
頭が冷えてきたところで、
なぜ自分が逃げ出してしまったのか、加蓮には分かりませんでした。
26:名無しNIPPER[saga]
2020/04/26(日) 23:32:55.11 ID:DTyxDqAB0
何の根拠も無い決め付けに、
加蓮は自分でもびっくりしてしまうほど自然に、納得してしまうのでした。
27:名無しNIPPER[saga]
2020/04/26(日) 23:50:42.92 ID:DTyxDqAB0
◇ ◇ ◆
ポテト全サイズ百五十円。
28:名無しNIPPER[saga]
2020/04/26(日) 23:57:14.38 ID:DTyxDqAB0
「いらっしゃいませー」
「ポテトのL……と……コーラのS一つ、で」
29:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:09:34.35 ID:Hmn4qVbR0
「……い、いらっしゃいませー」
「あ……え、っと……ポテト?」
30:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:17:38.06 ID:Hmn4qVbR0
先程までは空席だった筈の椅子。
いつの間にか先ほどの男がそこへ座っていた事実に、加蓮はようやっと気が付きました。
それから聴覚情報の処理が始まって、ぎゅうっと胸が痛くなりました。
31:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:23:14.39 ID:Hmn4qVbR0
「アイドルを探しているんです……あ、弊社だとシンデレラって呼んだりもするんですが」
御伽噺じゃ、あるまいし。
32:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:33:08.43 ID:Hmn4qVbR0
「……なんで知ってんの」
「速水さんから聞いたんです」
33:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:38:31.33 ID:Hmn4qVbR0
百万の人々が行き交う街、渋谷。
その中で女の子一人を見つけ出すというのはほとんど確率論の話になってしまいます。
たった一ヶ月やそこらで何とかなる類の話ではありません。
34:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:45:29.29 ID:Hmn4qVbR0
「もちろん」
「でもアタシ、特訓とか練習とか、下積みとか努力とか気合とか根性とか、
なんかそーゆーキャラじゃないんだよね。体力無いし。それでもいい?」
35:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:50:42.19 ID:Hmn4qVbR0
イヤなんかじゃありません。イヤな筈などありません。
時には消灯後に被った布団の中で画面越しに眺める事さえあった、アイドル。
なってみないかと問われた所で、首を横に振れる訳がありませんでした。
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