もしもし、そこの加蓮さん。
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29:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:09:34.35 ID:Hmn4qVbR0

 「……い、いらっしゃいませー」

 「あ……え、っと……ポテト?」

 「サイズはどうされますか? 今なら全サイズ百五十円となっておりますが」

 「……あー……じゃあ、Lを二つ。あと……コーラの――」


肩で息を繰り返し、少し首を傾げながらながらそう注文する男性を横目に、
加蓮は結構な急階段を慎重に昇っていきます。


夕飯前の時間帯だというのに駅前のこの店は賑わっていて、
ほとんど満席状態でした。

ケチャップにも似た赤いネイル。
その指先で四本目の、カリカリに揚がった細長いポテトを口へ押し込みながら、
加蓮は窓際のカウンター席から通りをぼんやりと見下ろします。

特に数の多い制服姿とスーツ姿は春服と夏服がちょうど半々くらいで、
なるほどもうすぐ夏がやって来るのかと、
自宅のクローゼットのどこへ夏服を押し込んでおいたかを思い出そうとして。


 「あの、すみません。アイドルになりませんか」



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