31:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 00:23:14.39 ID:Hmn4qVbR0
「アイドルを探しているんです……あ、弊社だとシンデレラって呼んだりもするんですが」
御伽噺じゃ、あるまいし。
「そういうの、こんな所でやる? 怪しいよ、すごく」
「重々承知の上です。でも、ようやく見つけたんです」
ジャケットの内ポケットから銀のケースを取り出すと、
男性は一枚の名刺をカウンターの上に差し出しました。
「一ヶ月、渋谷を捜し続けました」
「顔の良い女の子を?」
「映画好きの貴女を」
コーラのカップを握っていると、だんだんコーヒーの苦味が口の中に蘇ってくるようでした。
最近は何となく近寄ってすらいなかったミニシアター。
その発端となったあの日の苦味ごと、加蓮はお腹の中にコーラを流し込みました。
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