138:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 00:27:25.70 ID:XPAMg3p00
「やるじゃん」
「は?」
139:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 20:34:28.08 ID:XPAMg3p00
◇ ◇ ◆
念のため、髪をアップに纏めておきましたし、上着だって一枚羽織ってあります。
ですが彼は飛ばす訳でもなく、海岸沿いの道を法定速度で流すだけ。
140:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 20:45:51.03 ID:XPAMg3p00
彼を言い負かし、加蓮はひとしきり満足しました。
窓枠へ軽く肘を掛け、纏め損ねた毛先を風の妖精に遊ばせてやります。
「夢だったんだ」
141:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 21:00:46.29 ID:XPAMg3p00
唇を結び、加蓮は彼の顔を見つめます。
そして、にっと笑ってみせました。
「話したかったんだ? 可愛い女の子と」
142:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 21:14:21.11 ID:XPAMg3p00
「ま、ね。幼稚園とか小学校の頃は病院を行ったり来たりだったし。
生まれたばっかの頃とか、何か赤ちゃん用の機械に入れられてたらしいし」
「それは……相当だな」
143:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 21:31:16.33 ID:XPAMg3p00
「だからホラ、ウチの親ってアタシにダダ甘なんだよね。
昔から欲しいって言ったものは大体何でも買ってもらえたし」
「……可愛い一人娘だから?」
144:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 21:45:37.33 ID:XPAMg3p00
「いないよ」
「そうなんだ」
145:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 21:51:26.71 ID:XPAMg3p00
「ご贔屓のグループは? あれば掛けるぞ」
「贔屓って程でもないけど……カーペンターズは入ってる?」
146:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 21:59:45.33 ID:XPAMg3p00
「何だ。入ってたんじゃん」
流れ始めたのは耳馴染みのあるメロディ。
穏やかで落ち着いた、どこか懐かしい曲調は加蓮の眉を少しだけ緩ませます。
147:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 22:11:02.27 ID:XPAMg3p00
加蓮がじろじろと彼の全身を眺め回します。
この人が、まかり間違ったら教師に。
148:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 22:17:03.70 ID:XPAMg3p00
「カレンって読みは多分、もともと二人の間で決まってたんだろう。
それから加蓮が生まれて……疾患を抱えているのを知ってしまった」
「……」
307Res/234.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20