51:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:06:54.52 ID:O0jAO63X0
桃子「折角じゃ小童。冥土の土産としてその目に焼き付けておくがいい。貴様を助けに参じたばかりに、この娘が儂に取り殺される様をな!」ガシッ
育「や、やめろ……ぐあっ……」カタカタ
エミリー「あぁ……」
52:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:07:31.06 ID:O0jAO63X0
育「エミリー殿……? 何を……」
エミリー「育吾郎さま……あなたと過ごした時間は、ずっとずっと私の宝物です……」シュッ
桃子「小太刀で自らの腕に傷を? 貴様、一体……」
53:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:08:03.72 ID:O0jAO63X0
〜〜回想〜〜
紬「こちらが呪術に必要な経を彫り込んだ石です。まずはこれをあなたに……」
54:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:08:40.77 ID:O0jAO63X0
桃子「ぐぁぁあぁぁ……!」ガクッ
ゴゴゴゴ……
桃子「貴様……封印の術だと……!? ……おのれェェェ!!」
55:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:09:17.29 ID:O0jAO63X0
桃子「愚かな人間が自惚れた戯言を……面白い。いいだろう。貴様は必ずや寂しさに負け小童と再会し、術は解ける。それが人間の奸しき性というもの。さすれば儂は舞い戻り、この小童を喰うだけじゃ」
エミリー「悪しき鬼よ。どんな言葉で惑わそうとも私は迷いません。さあ、私がここを去れば術は発動します。その永き静寂の中で、あなたが踏みにじってきた数多の命と向き合い続けなさい!」
育「待って、エミリー殿……!」
56:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:10:01.48 ID:O0jAO63X0
――数時間後
育「う……」
57:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:10:28.80 ID:O0jAO63X0
まつり「古くさい価値観やしきたりは崩壊しつつある、ということなのじゃ。親藩大名から余のような者が現れている時点で窺い知れることなのじゃ」
育「た、確かに」
まつり「そんなわけでエミリーの今後については心配はいらぬのじゃ。それよりも育吾郎よ、余に何か申したいことがあるのではないか? 顔に書いておるのじゃぞ」
58:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:11:07.27 ID:O0jAO63X0
まつり「しかし子どもの骨がこんなにも……これから皆を供養してやらねばならんのう」
育「ええ。……あれ? この仏さんが首に提げているのって、ひなた殿のお守りだ」
まつり「そういえば山へ登る前、エミリーが村娘からお守りを受け取っているのを見たのじゃ」
59:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:11:42.94 ID:O0jAO63X0
――その頃
紬「本当にこれで良かったのですか?」
60:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:12:19.90 ID:O0jAO63X0
紬「良かったですね、エミリーさん。……しかし茉莉藩でもあの藩との交渉には難儀していたそうですが、よく身柄の引き渡しに応じてくれましたね」
朋花「そこに関しては我々の方が畑だということです。我が天空武士団を舐めてもらっては困りますよ〜」
紬「……エミリーさん、これからはこれからで何かと大変でしょうけど、どうか達者で暮らしてくださいね」
65Res/65.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20