56:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:10:01.48 ID:O0jAO63X0
――数時間後
育「う……」
まつり「ほ? 気がついたのじゃな」
育「わっ、殿!? どうしてここに」
まつり「エミリーからは手出しは無用と言われておったのじゃがな。とはいえ放っておくわけにもいかずここまで参じたのじゃが……」
まつり「生憎鬼の住処への入口は結界で幾重にも閉ざされていてな。結局エミリーが奴を封じるまで、余はどうすることもできんかったのじゃ。情けないのじゃ。しょんぼり殿なのじゃ」
育「そうだ! 殿、エミリー殿は……今どちらに」
まつり「本人からこの藩を離れたいとの申し出があったもので、余の旧知の藩主である天州殿の元に引き渡すことにしたのじゃ」
育「天空守様のところへですか。やっぱりエミリー殿は、もう戻らないつもりで……」
まつり「余の城で匿うという手段もあると申したのじゃが、本人が聞かぬものでな。そなたの息吹を感じられる場所にいると決意が揺らぐやもしれん、ということなのじゃろうな」
育「そうですか……」
まつり「幸い天空藩には隠れ吉利支丹も多いし、天州殿の人脈ならエミリーのご両親の行方もじきにわかることじゃろう。ちなみに天州殿自身もまた吉利支丹なのじゃ」
育「ええっ!? ……お言葉ですが殿、今の幕府の求心力はどうなっているんですか」
65Res/65.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20