58:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:11:07.27 ID:O0jAO63X0
まつり「しかし子どもの骨がこんなにも……これから皆を供養してやらねばならんのう」
育「ええ。……あれ? この仏さんが首に提げているのって、ひなた殿のお守りだ」
まつり「そういえば山へ登る前、エミリーが村娘からお守りを受け取っているのを見たのじゃ」
育「他の仏さんよりも骨が新しい……きっとこの方がひなた殿の兄上に違いない。そっか。エミリー殿が見つけてくれていたんだ」
まつり「これで皆ようやく村に帰れるのじゃな。さあ、育吾郎も早く戻って皆に元気な顔を見せるのじゃ」
育「ええ。そうさせていただきます」
まつり「おや、もう日の出なのじゃ。ほ――」
育「わぁ……」
まつり「驚いたのじゃ。辺り一面、満開の桃の花でいっぱいなのじゃ。これも鬼を封じた効果か」
育「とってもきれいです。そうか。鬼の城は、桃の木が折り重なってできていたんですね」
育(エミリー殿とは、これからもこの太陽の光の下で繋がっていられる……だからどうか見ていてね。君が叶えてほしいと言ってくれた世界を、きっと作ってみせるから)
育「桃の花――そうだ。殿、もう一つお願いを申してもよろしいですか」
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