九頭竜八一「何がわかった?」夜叉神天衣「竜王になるための条件よ」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:01:50.14 ID:30BMMpCHO
「ねえ、先生」
「ん? どうした、天衣」
「あなたに聞きたいことがあるの」
「なんだよ、改まって」
以下略
AAS
3
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:05:46.63 ID:30BMMpCHO
「あの人は有名だからわざわざ俺に聞かなくても天衣はよく知ってるだろう?」
「あなたの口から聞きたいのよ」
そうねだる天衣の口調はやや甘え気味だった。
本来ならば師匠として、甘えるな、自分で棋譜なり自伝だのを読んで調べてこい、と突き放すべきなのかも知れないが、めっちゃかわいい。
以下略
AAS
4
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:09:15.25 ID:30BMMpCHO
『よろしくお願いします』
両者の挨拶で長い長い3カ月が始まった。
当時、16歳の八一は初めてのタイトル戦。
まぐれで予選を勝ち進み、挑戦者決定戦に勝利して、ビギナーズラックで竜王に挑んだ。
以下略
AAS
5
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:12:40.23 ID:30BMMpCHO
「負け……ました」
最初の2日間が終わった。
八一は負けた。善戦はしたと思う。
持ち前の若さと勢いで攻めに攻めた。
以下略
AAS
6
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:15:20.21 ID:30BMMpCHO
「……あんなのありかよ」
第二局のあと、八一は消沈していた。
穴熊は上部からの飽和攻撃に弱い。
竜王はそこを突いて、八一の玉を押し潰した。
以下略
AAS
7
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:18:05.81 ID:30BMMpCHO
『よろしくお願いします』
竜王戦、第六局。
これに勝てば八一は竜王となる。
負けても、第七局でチャンスがある。
以下略
AAS
8
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:20:59.44 ID:30BMMpCHO
(ちょっと手抜いて面白くしてやるか……)
そんな軽い気持ちで竜王の細い攻めを手抜く。
「ッ!?」
以下略
AAS
9
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:23:54.19 ID:30BMMpCHO
(まだ時間はある。じっくり読みを入れよう)
盤面を睨みつけて、八一は深く読む。
しかし、それは最善手とは程遠い一手だった。
八一が手抜いた隙を突いた方が有利なのに。
以下略
AAS
10
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:27:21.00 ID:30BMMpCHO
「しゃっ!」
バチンッ! と両手で思い切り頬を叩いた。
八一は深く反省して、気合いを入れ直した。
自分は挑戦者なのだと自らに言い聞かせた。
以下略
AAS
11
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:32:42.39 ID:30BMMpCHO
(攻め手が途切れれば、負ける……!)
八一は直感していた。
この第六局を制した者が棋戦の勝者になると。
ここで負ければ、勢いと流れはあちらに傾く。
以下略
AAS
12
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/02/05(水) 01:35:11.62 ID:30BMMpCHO
(竜王……俺も、俺も楽しいです……!)
八一もまた、この将棋を楽しんでいた。
なにせ、格ゲーで言えば無限コンボだ。
ずっと俺のターンと言えばわかるだろうか。
以下略
AAS
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