九頭竜八一「何がわかった?」夜叉神天衣「竜王になるための条件よ」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:12:40.23 ID:30BMMpCHO
「負け……ました」

最初の2日間が終わった。
八一は負けた。善戦はしたと思う。
持ち前の若さと勢いで攻めに攻めた。
しかし、重くて厚い壁に、阻まれた。

「くそっ!」

悪態をついて、苛立ちが募る。
しかし、くよくよしてはいられない。
八一は考えた。どうあの壁を崩せばいいのか。

考えに考えた末に、気づいた。

「……あの壁を崩すのは不可能だ」

直近の棋譜を読んでわかった。
今のあの人はまさに鉄人。鉄で出来ている。
そんな相手をいくら殴ったとしてもこちらの拳が砕けてしまうのは明白で、反撃をくらう。

「だったら、これならどうだ……!」

竜王戦、第二局。
八一はガチガチに玉を固めた。
典型的な穴熊戦法である。
もともと穴熊は得意だった。

将棋というゲームは一見難解そうに見えて実は単純で、ようは自分の玉が詰まされなければ基本的に負けることはない。だから硬く囲った。
持将棋云々はこの際考えないことにした。
とにかく負けないように戦うことを意識した。

「なんだ、これ……?」

たしかに勝負は長引いた。
しかし、相手も穴熊の名手であった。
穴熊使いは、穴熊の弱点を知っていた。

だから八一は穴の奥深くで窒息して死んだ。


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