九頭竜八一「何がわかった?」夜叉神天衣「竜王になるための条件よ」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:32:42.39 ID:30BMMpCHO
(攻め手が途切れれば、負ける……!)

八一は直感していた。
この第六局を制した者が棋戦の勝者になると。
ここで負ければ、勢いと流れはあちらに傾く。
故に、細い攻めを続ける。死にたくなかった。

(ここまで来たんだ! 負けてたまるか!!)

今回は運が良かった。
次回はこうはいかない。
最初で最後のチャンス。
八一はそう信じて、竜王に食らいつく。

「……ふむ」

竜王は顎に手を当てて、しきりに頷く。
まさか読み切っているのだろうか。
八一の細い攻めが途切れるその瞬間を。

「まだだ!」

八一は学んだ。
竜王を起こしてはいけない。
この鉄の巨人を永眠させる。
その為には、敵の武器を奪う必要がある。

「大駒を寄越せ!!」

角を、飛車を。馬を、龍を。
成らせてはならず、その前に奪い取る。
既に飛車は確保した。馬は自陣に引かれた。

「チィッ!」

思わず舌打ちが漏れる。明らかなマナー違反。
しかし、竜王は気にした風もなく、楽しげだ。
いや、仏頂面なのだが、不思議とそう感じた。


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