49:以下、名無しにかわりまして上イン好きがお送りします[sage saga]
2020/02/02(日) 17:06:17.51 ID:9H4y6mch0
この街で最初に感じた、そして今でも感じている違和感。恐らく彼女達の言う“魔女”の力なのだろう。キュゥべえとやらの構築しているネットワークに続き、違和感の大まかな正体について知れたことは僥倖だ。ただ、
(それだけではないな)
そう、キュゥべえとやらのネットワーク、魔女、それだけではない。だがそれは常に近くにあって、自分の知っているような感覚である。アレイスターはねっとりと纏わり付くようなもやもやに思考を傾けていく。この違和感はもっと身近にある気がするのだが......と。答えは喉まで出かかっているのに、あと一歩のところで手が届かないようなもどかしさ。
「はああぁぁぁ。いくら考えても答えが出ないのならば思考を切り替えるしかないか」
長いため息をつきながらアレイスターは次の行動をおこすべく重い腰を上げた。
50:名無しNIPPER[saga sage]
2020/02/02(日) 22:17:25.79 ID:9H4y6mch0
そろそろテストなので更新は遅くなると思います。
51:以下、名無しにかわりまして上イン好きがお送りします[sage saga]
2020/02/03(月) 00:42:26.52 ID:oOE+CogJ0
監視カメラの映像記録は粗方精査しきったので、一旦行動に移すことにしようと考えた。
しかし、別段急ぎの用という訳でもないし、今日一日は適当に男でも捕まえてセックスなり乱行パーティーにでも興じようとも考えていた。とにかく外に出て、街の散策なり、男探し(女でも可)でもしなければ。一日中ずっとパソコンと睨みあいっこなんぞただのヒキニートと大差ない。
という考えでアレイスターはネット喫茶から出ていった。
二日目ともなればさすがにこの街にも慣れてきて特に驚くこともなかった。当座の目標はとりあえずは魔女探しである。元々アレイスターが目を覚ましてから感じる違和感の正体を探しだそうとしたのはこの街、この世界で何故自分が生きているのかを知る為である。自分は確かにあの時死んだ筈なのに生きている。この状況が不可解なのである。しかしその原因はこの街で目を覚ました時から感じる違和感が関係しているのではないかとアレイスターは直感的に感じていた。......まあこうして考えなしに突っ走るからいつも失敗するのだが。
とにもかくにも街での魔女とやらを探さなければ。
52:名無しNIPPER[sage]
2020/02/03(月) 00:44:56.28 ID:IsiBmJF6o
人格おっさんの癖に男捕まえるのか…
53:名無しNIPPER[sage]
2020/02/03(月) 01:14:38.62 ID:XIb10cmSO
>>52
奴を誰だと思っている?アレイスターだぞ
54:創約が始まるぞおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!![sage saga]
2020/02/04(火) 19:55:51.98 ID:OU1LO34/0
まだ明るいというのに路地裏へ進めぶ進む程闇の気配が濃くなってくる。粘ついた空気がアレイスターに絡みつくがアレイスターは気にもとめない。むしろスキップでもするのかという程気軽な様子だった。
確か彼女達の会話から推測するに魔女は結界を張りその奥に隠れ潜んでいるとのことらしい。結界を張るのはいいのだがその結果への入り方にた少々の不安がある。虚数を十進法に変え隠世を破ったアレイスターでもそもそもの原理が違えば侵入するのが面倒なのだが......。まあ、向こうがこちらを受け入れてくれることを願うしかないか。
と考えている内に変化が訪れた。
「向こうから仕掛けてくるとは、幸先の良いスタートだな」
どうやら魔女の結果の中へ入れたらしい。さっきの小綺麗な路地裏から打って変わって辺りは見ているだけで目と頭が痛くなる程の極彩色に彩られたやたらメルヘンチックな風景へと姿を変えていた。
55:以下、名無しにかわりましてSS速報VIP がお送りします[sage saga]
2020/02/04(火) 23:06:20.22 ID:OU1LO34/0
ドレスやスーツというよりかは喪服に近いような格好をした人形達だった。いや、人形と呼んでいいのかも分からない。何故なら顔だけでなく腕や足がもぎ取られていたり、中には体自体がグシャグシャにひしゃげているものもあった。そんな異形が一斉にアレイスターへと襲いかかってくる。アレイスターは一瞬の出来事だった為か何もせず、いや、何もできずにその場に立ち尽くし、異形の人形達に嬲り殺しにあい、
56:途中でサッとナニしながら 某2chスレで出来た魔女のもとへ向かう[sage saga]
2020/02/05(水) 00:28:31.64 ID:vPMMZRRv0
そこから先は圧倒的だった。
ドレスやスーツの異形の人形達が襲いかかればアレイスターの作った即興兵器によって薙ぎ倒されていく。時には音速の約二〇倍の速度の空気砲や肌どころか空気そのものを凍て刺す瞬間冷凍薬品等々、まるでビックリ箱のように即興兵器を出してくるアレイスターになにも出来ず無様に散っていく異形の人形達。
「ふう、こんなところか」
粗方異形の人形達を片付けて先へ進むと、更に極彩色に彩られた広い空間へと出た。先程とは違いこの空間は、そう、まるで教会の中の結婚式場のようなところであった。しかし結婚式場とはいっても白と黒のコントラストで表現されたような、祝福というよりかは陰鬱とした雰囲気を纏っているような場所だった。そしてその真ん中には、
「おやおや、あれがここ、メルヘン王国の大ボスかね」
57:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/06(木) 19:58:59.06 ID:ajUZdZtR0
先手を打ったのはアレイスターからだった。あの花嫁の魔女がこちらに気付き、顔を上げ、ドレスやらスーツやらの異形の人形達を放とうとしている時には既にアレイスターの攻撃の準備は終わっていた。
32、30、10。
アレイスターの右手が形作る鉄砲のジェスチャーからライターの火打ち石が散らす火花のような小さな数字が瞬いた。
霊的蹴たぐり。
自己の瞑想を相手へ伝播させる技術の応用。自身と相手の感覚をリンクさせ、相手の思い描いた衝撃をそのまま叩き込む魔術。
58:スーパー?ソニック?ストライカーとかブラスティングロッドとか読める人いるかな?[sage saga]
2020/02/06(木) 23:33:34.91 ID:ajUZdZtR0
花嫁の魔女はアレイスターの霊的蹴たぐりと衝撃の杖によって後方へ大きくのけぞる。どうやらこちらの行っている動作をキチンと認識できるようだ(まあアレイスター程の達人になれば無機質のカメラでも霊的蹴たぐりを叩き込めるか)。しかし体が大きい為か、それとも単に耐久力が高い為か一撃では終わらなかった。
しかしアレイスターはそれでも、いやそれでいいと言わんばかりの笑みを浮かべていた。
「ハッ!!これで終わらないとは、これは楽しめそうだ。一発で終わったらつまらないからなあ!!精々足掻きたまえよ愚物!!」
花嫁の魔女へ挑発も交えながらアレイスターは凄絶な笑みを浮かべた。
久々に楽しめそうだ。
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