57:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/06(木) 19:58:59.06 ID:ajUZdZtR0
先手を打ったのはアレイスターからだった。あの花嫁の魔女がこちらに気付き、顔を上げ、ドレスやらスーツやらの異形の人形達を放とうとしている時には既にアレイスターの攻撃の準備は終わっていた。
32、30、10。
アレイスターの右手が形作る鉄砲のジェスチャーからライターの火打ち石が散らす火花のような小さな数字が瞬いた。
霊的蹴たぐり。
自己の瞑想を相手へ伝播させる技術の応用。自身と相手の感覚をリンクさせ、相手の思い描いた衝撃をそのまま叩き込む魔術。
しかしアレイスターはそこだけに留まらない。
29、4、28。
またもやアレイスターの手から数字の火花が散った。アレイスターの左手は虚空に向かい、何かを掴む動作をした。まるでそこに何かがあるかのような、しかしアレイスターはしっかりとその感触を確かめ『それ』を握った。本来であれば何も無い筈の空間からあり得ない物がアレイスターの左手に収められていた。
それは一本のねじくれた銀の杖。
名を衝撃の杖。
相手の思い描いた威力を一〇倍にして叩き込む霊的蹴たぐりの応用技術。
自身と相手にしか感じ取ることの出来ない架空の銃を魔女に突き付け、
「まずは小手調べといこうか」
ドンッッッ!!と、通常の銃ではあり得ない程の大きな重低音が炸裂した。
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