高山紗代子「敗者復活のうた」
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256: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:46:58.96 ID:ZRhpxi3E0
 紗代子とShahは抱き合い、別れた。
 そして悲壮な表情で、紗代子は劇場に帰ってきた。

P「どこに行ってたんだ? これから……」

以下略 AAS



257: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:47:42.19 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「あの子を脅迫したっていうのは、本当なんですか?」

P「ま、待て。それは……あの時、俺はどうかしていた……」

紗代子「あの子を見返すために……自分の力を認めさせるために、私の担当になったんですか?」
以下略 AAS



258: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:48:56.08 ID:ZRhpxi3E0
 紗代子を抱えるようにして乗り込んだ、帰りの電車内。彼女は一言も発しなかった。
 瑞希も言うべき言葉がなく、黙っていた。
 帰宅した紗代子を見て、さすがに母親は何が起こったのかはともかく、娘の精神状態は察し、黙って娘を自室に送る。

「わざわざ心配して送り届けてくれたんでしょ? ごめんなさいね」
以下略 AAS



259: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:49:53.18 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「なぜですか……あの熱意と懸命さの塊のような高山さんが、あれほど落ち込んだ姿を、私は見たことがありません」

「ま、確かに久々ね。春頃に、765プロのオーディションを落ちて帰ってきた時以来かしら」

瑞希「あの時の……」
以下略 AAS



260: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:50:49.65 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「おじゃましています、真壁瑞希です。私のことは気軽に、瑞希ちゃんと呼んでください」

「もしかして姉ちゃんが、友達だって言ってたのは……マジ?」

瑞希「はい……マジです、マジ。真実の本当です……まじまじ」
以下略 AAS



261: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:52:06.91 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「それはつまり……高山さんは、毎晩走っておられるということですか?」

「ああ……いや、はい。最初は自転車使わずに一緒に走ってたんだけど、だんだん追いつけなくなって、ママチャリに乗るようになって、それでも追いつけなくなってちゃんとした自転車買って、そして今はあれを組んでるとこです」

瑞希「あれ……ほほう、緑色の綺麗な自転車ですね。び……びあん……き?」
以下略 AAS



262: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:53:07.38 ID:ZRhpxi3E0

「こんなにのんびり走るの、久しぶりかな」

瑞希「つまり高山さんは、もっと早く走っているのですね?」

以下略 AAS



263: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:54:15.76 ID:ZRhpxi3E0

 来客用のベッドに横になりながら、それでも瑞希は紗代子が心配だった。
 紗代子の家族は心配していなかったが、あれだけの精神的なショックを受けて、それでも一晩で立ち直れるものだろうか。
 いや、もし立ち直れなかったとしたら、紗代子はアイドルをやめてしまうのではないだろうか。

以下略 AAS



264: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:55:19.00 ID:ZRhpxi3E0

 朝がきた。
 結局ほとんど眠れなかった瑞希は、紗代子の部屋の前で座り込んでそのドアが開くのを待っていた。

紗代子「あれ……瑞希……ちゃん!? なんでここに!?」
以下略 AAS



265: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:56:12.99 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「こんなの……あの時にくらべれば……765プロのオーディションを落ちたあの日の夜にくらべれば、なんでもない!」

瑞希「私は、もしかして高山さんがアイドルをやめてしまうのではないかと、心配していました」

紗代子「やめないよ。やめない……このままじゃ、絶対にやめない! 今度は私が……」
以下略 AAS



266: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:57:02.98 ID:ZRhpxi3E0

のり子「あ、紗代子! 大丈夫?」

紗代子「のり子さん、ご心配おかけしました。もう大丈夫です」

以下略 AAS



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