高山紗代子「敗者復活のうた」
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165: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:45:52.45 ID:ZRhpxi3E0
麗花「紗代子ちゃんのプロデューサーさんは、山登りをする人なんですね?」

 この娘は、おそらく自分の服装や装備を見てそう思ったのだろう。
 プロデューサーは、そう思った。確かにそれなりに準備をしたとはいえ、着ているものも持っている装備も、いささか年季が入ってはいるが、それなりのものだ。

以下略 AAS



166: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:46:21.03 ID:ZRhpxi3E0

 北上麗花は、顔に風を受け微笑んでいた。
 幸せな気持ちだった。
 どうして紗代子が急に山に行きたいと言い出したのか、彼女はなんとなく言葉を濁していたが、彼女のプロデューサーに出会ったことで、麗花は全てを理解した。

以下略 AAS



167: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:48:13.37 ID:ZRhpxi3E0

 麗花と別れた後、2人は駐車場に停めてあったプロデューサーの車に乗り込む。そして車が走り出しても、2人は無言のままだった。
 それぞれ、お互いに話したいこと、聞きたいことはたくさんある。
 だが、そのきっかけが掴めない。

以下略 AAS



168: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:50:04.55 ID:ZRhpxi3E0
P「いや、それはいい……んだが、そもそもなんで山に登ろうと思ったんだ?」

 プロデューサーの問いに、急に紗代子は俯く。その頬は少し赤くなっている。

P「どうした?」
以下略 AAS



169: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:51:20.17 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「ひとつは、プロデューサーの言ってた事は本当だった、ってことです」

P「俺が?」

紗代子「必死な人の懸命な声は人の魂に届く、という話です。プロデューサーの私を呼ぶ声、聞こえました。確かに……」
以下略 AAS



170: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:54:34.95 ID:ZRhpxi3E0
P「いや、わかった。行くよ、明日は劇場に」

紗代子「良かった! 私、全力でがんばります。そして……」

P「え?」
以下略 AAS



171: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:55:47.52 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「小さい頃、いつも一緒に遊んでいた幼馴染みの女の子。その子と、約束したんです。2人ともアイドルになろうね、って。そして一緒のステージで歌おう、って」

P「そうだったのか」

紗代子「きっとあの子も、がんばっているはずです。だから、私も……」
以下略 AAS



172: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:56:13.89 ID:ZRhpxi3E0
P「今日のことや、そういうことを懐かしく話す日もあるかも知れない。だが、紗代子も俺もまだ道半ばだ。今はただ、目の前だけを見ていこう」

紗代子「……わかりました」


173: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:57:43.30 ID:ZRhpxi3E0

 高山家の前で紗代子を下ろしたら、そのまま帰るつもりだったプロデューサーの腕を、紗代子は必死で引っ張ってきた。

紗代子「今日のお詫びに! いいえ!! 今までのお礼もこめて、夕食だけでも食べていってください!!!」

以下略 AAS



174: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:58:49.72 ID:ZRhpxi3E0
 結局、女性2人に両腕を引っ張られ、プロデューサーは高山家へと招き入れ……いや、引きずり込まれた。
 手際よく夕食の調理を始める紗代子の母を横目に見ながら、プロデューサーは紗代子に小声で話しかける。

P「なんだか……紗代子とはちょっとノリが違うな」

以下略 AAS



175: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:59:15.22 ID:ZRhpxi3E0
「ただいまー。姉ちゃん今日はもう帰って……あれ? お客さん?」

P「あ、ああ、あ、ど、どうも」

「どうも……どなたさん?」
以下略 AAS



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